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八目土 (やつめど)・枠鼻 (わくばな)

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宮内耕地名地図_昭和4年拡大21.jpg
​八目土の現在地、及び上枠鼻と下枠鼻の耕地名
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 現国道409号線の西下橋交差点辺りは、「八目土(やつめど)」と呼ばれる地名が残っている。また、「八目土」を挟み、「上枠鼻」と「下枠鼻」と言う耕地名も残っている。

 以下、「八目土」と「枠鼻」について解説する。

 「八目土」とは、ヤッツ目の土手と言う意味を持つ地名である。

 溝の口方面から国道409号線に沿って流れる多摩川が、大きく蛇行する場所であった。川の流れの勢いが強く、流れが堤防に激突し浸食され決壊しやすい

 「八目土」は「八目土手(やつめどて)」と呼ぶ人もいる。「八」は、「多く」とか「たくさん」と言う意味を持つ言葉であることから、「八目土」は「堤防が決壊するたびに、何度も何度も(たくさん)土手を築き直したところ」と言う意味がある。

 それほどこの場所は、多摩川の決壊に悩まされながらも、宮内の田畑や人々の生活を守るため、たくさんの土手を築き直した場所である。

 「枠鼻」の「枠」は、川の流れ(川筋)を安定させ、流れが堤防や川岸に激突する勢いを和らげるために、堤防や川岸から川の中心部に向け、突き出す形で設けられる工作物であり、「水制」と呼ばれる伝統的な技術の一つである。木製の枠(木枠)の中に大きな石を詰め、水の流れの激しい処に、その木枠を並べて沈め、流れの勢いを和らげようとするものである。現在のテトラポットと言えるかも知れない。

 「鼻」は「先頭」「はじまり」「端」の意味を持つ言葉である。

 この辺りは丁度多摩川が東側に大きく蛇行し、川幅の外側に当たる場所であり、水の​流れの勢いが増す箇所である。この流れの勢いを抑止するために、いくつもの枠が並べて置かれた所で、その並べた枠の先端の部分に位置する所は「枠鼻」と呼ばれていた。

 その場所の近くにあった耕地には「枠鼻」という名前が付けられ、「下枠鼻」「上枠鼻」という耕地名で呼ばれていた。

 

​枠のイメージ
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​多摩川の流路が蛇行していたイメージ(合成写真)

八目土・枠鼻  〒211-0051 神奈川県川崎市中原区宮内1丁目22-13地先

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